たまりしょうゆの魅力 CHARM OF TAMARI SOY SAUCE
しょうゆの種類 TYPES OF SOY SAUCE
古くから日本各地で生産されてきたしょうゆは、それぞれの地域の嗜好や
醸造の歴史などにより、さまざまな個性を持っています。
その種類は、日本農林規格(JAS)によって、原料・製法・成分値から大きく5種類に分類されます。
幅広く使える万能タイプ
全国のしょうゆの消費量の約80%を占める、最も一般的なしょうゆ。塩味のほかに、深いうま味、まろやかな甘み、さわやかな酸味、味を引き締める苦みを合わせ持っており、香りと味のバランスのよい、しょうゆです。
素材の色を活かす料理にぴったり
関西で生まれた色のうすいしょうゆで、全生産量の約13%。色をうすく仕上げるために、発酵と熟成を緩やかにさせる食塩を、こいくちしょうゆよりも多く使用。素材の持ち味を活かすために、色や香りを抑えたしょうゆです。
うま味たっぷり濃厚な味わい
大豆が分解されて生まれるとろりとしたコクとうま味が特長。「さしみたまり」とも呼ばれるように、寿司、さしみなどの卓上用に使われるほか、加熱するときれいな赤みが出るため、照り焼きなどの調理用や、佃煮、せんべいなどの加工用にも使われます。独特な香りがありますが、ほかのしょうゆに比べると穏やかなため、洋食の隠し味にも使えます。
濃厚なうま味とコク
山口県を中心に山陰から九州地方にかけての特産しょうゆ。他のしょうゆはこうじを食塩水で仕込むのに対し、生揚げしょうゆで仕込むため、「再仕込み」と呼ばれます。色、味、香り共に濃厚で、別名「甘露しょうゆ」とも言われ、さしみ、寿司、冷奴など、おもに卓上でつけ・かけ用に使われます。
素材を活かす
愛知県三河地区で生まれ、うすくちよりもさらに淡い色のしょうゆ。味は淡泊ながら甘みが強く、独自の香りがあります。色のうすさと香りを活かした吸い物や、茶碗蒸しなどの料理のほか、せんべい、漬物などにも使用されます。
たまりしょうゆの特徴 FEATURE OF TAMARI SOY SAUCE
東海エリアを中心につくられるたまりしょうゆ。
大豆9割、小麦1割程度の比率で仕込むことがほとんどですが、大豆と塩のみでつくる蔵元もあります。
その場合は、小麦を使っていないことから、グルテンフリーのしょうゆとして海外からも人気を得ています。
大豆と小麦の比率
たまりしょうゆは一般的なこいくちしょうゆと比較すると大豆の使用量が圧倒的に違います。
大豆リッチでつくられたたまりしょうゆは、うま味が強いという特徴になります。
サンジルシでは、大豆100%でつくられたグルテンフリーしょうゆも展開しています。
こいくちしょうゆ | たまり しょうゆ |
|
---|---|---|
大豆**脱脂加工大豆含む | 約50% | 80〜100% |
小麦 | 約50% | 0〜20% |
仕込食塩水の使用量が少ない
しょうゆをつくる際、こうじを入れた後に仕込食塩水を入れます。大豆と小麦の容積を100とした時、食塩水を入れる割合がたまりしょうゆは一般的なこいくちしょうゆよりも少ないです。
濃く仕込むことで、たまりしょうゆの特徴である、濃厚さ・コク・とろみが生まれます。
こいくちしょうゆ | たまり しょうゆ |
|
---|---|---|
大豆*+小麦*脱脂加工大豆含む | 100 | 100 |
食塩水 | 100〜140 | 50〜100 |
たまりしょうゆの魅力 CHARM OF TAMARI SOY SAUCE
なぜたまりしょうゆはおいしいの?
大豆は昔から畑の肉と称され、良質なたんぱく質を多く含んでいます。しょうゆのうま味の元となるたんぱく質を多く含む大豆を主原料にしている事こそが「たまりしょうゆ」のおいしさの秘密です。
なぜたまりしょうゆは濃厚なの?
たまりしょうゆはコクの素と言われる「ペプチド」が多く含まれているからです。ペプチドとは、たんぱく質がアミノ酸まで分解される間の状態です。一般的なしょうゆでは分解されてアミノ酸になっていることが多く、ペプチドの含有量は少ないですが、濃く仕込まれたたまりしょうゆはペプチドが残りやすく、濃厚な味わいになります。
なぜたまりしょうゆはうま味が強いの?
一般的なこいくちしょうゆと比べ、たまりしょうゆはアミノ酸の含まれる量が多い傾向が見られます。コクのあるペプチドを保持しながら、うま味まで引き出せるのは、大豆を多く使っているからです。特にうま味に影響が強いとされるグルタミン酸、アスパラギン酸が多く含まれています。
たまりしょうゆの豆知識桑名とはまぐりとたまりしょうゆの絶妙な関係
サンジルシのある桑名市は、江戸時代、東海道唯一の海路「七里の渡し」の宿場町として知られたところ。桑名は揖斐川、木曽川、長良川の三大河川の河口で、はまぐり、あさり、しじみなどの産地です。その中でも、「その手はくわない(その策略にはのらない)」をシャレた「その手は桑名の焼き蛤(やきはまぐり)」という言葉があるほど、桑名の特産品として有名なのがはまぐり。 そのはまぐりをたまりしょうゆで煮たものに「しぐれ蛤(はまぐり)」があり、こちらもたいへんやわらかく美味な佃煮として評判です。 昔の人は知っていたかどうか、たまりしょうゆの持つ効用が大きく貢献しているのでしょう。
たまりしょうゆの力 POWER OF TAMARI SOY SAUCE
01
下ごしらえに
生臭みをやわらげます。
02
煮込みに
素材をやわらかく
仕上げます。
03
たまり漬けや
佃煮に
菌を静め、
日持ちさせます。
04
辛すぎるものに
かける
塩辛さを抑えます。
05
仕上げにひと塗り
美しい”照り”が
うまれます。
06
かつお節と
出会うと
おいしい”コク”が
つくりだされます。
07
隠し味に
うま味がより
引き立ちます。
08
健康的な食事に
塩分を抑えながら
おいしさを加えます。
たまりしょうゆの
上手な使い方
HOW TO USE TAMARI SOY SAUCE
「たまりしょうゆ」は、「つけしょうゆ」「かけしょうゆ」としてご使用いただけます。こいくちしょうゆより、うま味が濃厚なので豆腐や卵料理などによく合います。また、肉や魚の生臭みを抑えるので、刺身、寿司・・・など、何にでもよく合います。
洋食を作る際も「たまりしょうゆ」は香りが穏やかなため、風味を損なうことなく、必要なおいしさやコクを付けることができるので隠し味にも便利です。洋食は「動物性」の調味料(ブイヨンやバター)がよく使われていますが、「たまりしょうゆ」は、大豆が原料の「植物性」の調味料です。「動物性」「植物性」のうま味が合わさると、おいしさが増し、メニューの幅も広がります。
また、「たまりしょうゆ」は、こいくちしょうゆと同じくらいの塩分ですが、うま味が濃厚なので「こいくちしょうゆ」と比べて使用する量を少なくすることができ、塩分が気になる方にも最適です。