みそ研究所 MISO RESEARCH INSTITUTE

TYPE OF MISO

みそは発酵熟成に欠かせない「こうじ」によって種類が分かれています。
こうじの微生物の働き方は気候風土、環境、水質など、さまざまな条件によって変わります。

みそマップ

CLASSIFICATION

こうじとは穀物にこうじ菌を培養し繁殖させたものです。
みそやしょうゆなど発酵食品の製造において大事な役割を担っています。
みそはこのこうじから、米みそ、麦みそ、豆みその3種類と、これらを混合した調合みそに分けることができます。

米みそ

米みそ

  • 大豆
  • 米こうじ

種類が多く、米の甘さを感じられるみそ。
大豆に米こうじを加えてつくったもので、全国各地で生産されています。

色や味による分類 麹歩合範囲※
(一般例)
塩分(%)範囲
(一般例)
産地
甘味噌 15〜30(20) 5〜7(5.5) 近畿各府県と岡山、広島、山口、香川
12〜20(15) 5〜7(5.5) 東京
甘口味噌 淡色 10~20(15) 7〜12(7.0) 静岡、九州地方
12~18(14) 10~12(12.0) 徳島、その他
辛口味噌 淡色 6~10(7) 11〜13(12.0) 関東甲信越、北陸、その他全国的に分布
6~10(7) 11〜13(12.5) 関東甲信越、東北、北海道、その他全国的な分布

※麹歩合:大豆に対する米の割合で一般的には、麹歩合が高くなると「甘い味噌」になります。

麦みそ

麦みそ

  • 大豆
  • 麦こうじ

米みそよりもこうじを使用する割合が高く、甘味が引き出されたみそ。
大豆に麦こうじを加えてつくったもので、九州、四国、中国地方が主な産地です。

色や味による分類 麹歩合範囲※
(一般例)
塩分(%)範囲
(一般例)
産地
淡色みそ 15〜25(20) 9〜11(10.5) 九州、四国、中国地方
赤みそ 8~15(10) 11〜13(12.0) 九州、四国、中国、関東地方

※麹歩合:大豆に対する麦の割合で一般的には、麹歩合が高くなると「甘い味噌」になります。

豆みそ

豆みそ

  • 大豆
  • 豆こうじ

原料である大豆に全てこうじをつけてつくるみそ。
一般的な米みそよりもうま味が強く、塩分が低いのが特徴です。
渋みや酸味が感じられ、色も濃く、代表的なものに八丁味噌󠄀があります。
東海地方(愛知、三重、岐阜)が主な産地です。

色や味による分類 麹歩合範囲
(一般例)
塩分(%)範囲
(一般例)
産地
なし (全量) 10〜12(11.0) 東海地方(愛知、三重、岐阜)

みその豆知識おせっかい よけいな世話を焼くこと

現在では、「おせっかい」は「御節介」と漢字で書きますが、もともとは、「切匙」という、みそと関係の深い道具から生まれた言葉だといわれています。昔はみそは、すり鉢(現在、ごまをすったりするのにつかうもの)ですりつぶしてからつくっていました。「切匙」というのは、しゃもじのようなものを縦半分に割った形の道具で、最後にすり鉢の溝についたみそをとるのに使われたのです。溝の一本一本まできれいにみそをとっていくその様子から、余計な世話を焼くことを「おせっかい」と呼ぶようになったと言われています。

POWER OF SOYBEANS

大豆は良質なたんぱく質を多く含む食べ物です。
豆みその主原料である大豆は非常に栄養価が高く、昔から「畑の肉」と呼ばれています。
大豆は発酵によって、たんぱく質がアミノ酸に分解され、生命維持に不可欠な9種類の必須アミノ酸がすべて含まれた、栄養的に優れたみそになります。
たんぱく質の他にも、炭水化物、脂質、灰分、ビタミン、カリウム、マグネシウム、繊維質など
たくさんの栄養素が含まれています

大豆が含む成分

たんぱく質

たんぱく質

たんぱく質は大豆の約3割を占めており、他の成分よりも豊富に含まれています。肉に匹敵するほどのたんぱく質が含まれていますが、肉に比べて低カロリーというのが最大の特徴です。また、必須アミノ酸がバランスよく含まれていて消化吸収も良いということが分かっています。

イソフラボン

イソフラボン

イソフラボンは女性ホルモン「エストロゲン」と似た化学構造と働きをすることがわかっています。肌の新陳代謝を促し髪のツヤやハリを保ってくれるエストロゲンですが、加齢に伴い分泌量が減少するといわれています。大豆イソフラボンを摂取することにより、その分泌量をカバーする効果が期待できます。また、大豆イソフラボンが体内で変化して発生する女性ホルモン「エクオール」は、ほてりを緩和したり骨を強くするなど、更年期障害の症状を緩和することがわかっています。

大豆レシチン

大豆レシチン

レシチンは体内のあらゆる細胞の膜に含まれており、生理機能を担ったり、神経伝達物質のアセチルコリンの材料としての働きも知られています。副交感神経の刺激を伝え、学習や記憶、睡眠に関わっています。また、脂質の代謝にも関わっており、肝臓を保護する働きもあります。大豆レシチンは特に血液中に長く留まることができる特徴を持つため、動脈硬化や脳卒中、高脂血症や心臓病などへの予防、さらにはダイエット効果に優れています。

食物繊維

食物繊維

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あります。水溶性食物繊維は糖の消化吸収スピードを遅くして、急激な血糖値の上昇を抑えたり、不要なコレステロールやブドウ糖の吸収を抑制する作用を持ちます。大豆に多く含まれている不溶性食物繊維は、腸を刺激し、便の通りを良くしてくれます。

ビタミンE

ビタミンE

ビタミンEにはα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、σ-トコフェロールの4種類があり、なかでも、大豆は抗酸化力の強いγ-トコフェロールが豊富です。老化の原因のひとつには活性酸素による酸化作用が関係していると言われており、抗酸化作用のある栄養素を摂ることで、老化防止につながると考えられています。

POWER OF SOY BEAN MISO

豆みそにはこのような効果があると言われています。

がん予防

がん予防

・不飽和脂肪酸
・大豆のイソフラボン
・大豆のトリプシンインヒビダー
・食物繊維

など
老化の防止

老化の防止

・大豆のビタミンE
・みその褐色色素(メラノイジン)
・リノール酸

など
脳卒中の予防

脳卒中の予防

・カルシウム
・カリウム

など
コレステロールの制御

コレステロール
の制御

・大豆のたんぱく質
・大豆のレシチン
・食物繊維

など
タバコの害を防止

タバコの
害を防止

・大豆のビタミンB群

脳の新陳代謝促進

脳の
新陳代謝促進

・大豆のビタミンB群
・アセチルコリン

など
美肌効果

美肌効果

・大豆のイソフラボン

など

FUNCTIONALITY OF SOY BEAN MISO

マスキング効果

肉や魚の臭みをおさえ、まろやかな味に仕上げることができます。
豆みそは煮込んでも独特の香りが保持されているのに加え、
他のみそに比べて肉・魚の生臭みを中和したり、吸着する力が強いとされています。
砂糖などと煮込むことでまろやかになるため、鯖のみそ煮やどて煮にといった煮込み料理に最適です。

コク・うま味の追加

豆みそは、うま味成分の指標である「窒素」含有率が他のみそと比べて高いため、一般的に「コクがあるみそ」とされています。
少量でも濃厚なうま味を出すことができるので、料理の隠し味にも最適です。
回鍋肉のような中華料理や、ミートソーススパゲティのような洋食までお使いいただけます。
煮込み料理でも優れた効果を発揮し、煮込めば煮込むほど、コクとうま味がアップします。

健康をおいしくサポート 

高血圧に大きな影響をもつとされるミネラルバランス。
ナトリウムの取りすぎが病気の要因とされていますが、同時にミネラルを摂ることが大事とされ、豆みそは有効的な食材です。
また、豆みその塩分濃度は11%程度で他のみそに比べて低い数値です。
うま味成分が多い分、調理に使用する量が少なくて済むので、
減塩効果もあると考えられています。食事制限で塩分を気にしている方にも最適です。